人口増施策はやめたほうがいい理由

皆さん、こんにちは。代表の井上です。
先々週から御手洗雅楽会主催の演奏会、維新150周年シンポジウムとイベント続きでドタバタでしたが、年内の大きなものは終了し少しほっと一息したわたくしです。(年内までにやり残したこと多々あり再び焦る今日この頃です笑)

イベントをするにもやはり人手が少なく、一人何役もこなさねばならないのは御手洗で様々な仕事づくりを行っているアクションと同じ。
そう、人欲しいんです。
しかし、タイトルにも書いた通り、人口増施策には反対。 

この1か月で東京から3組の若者(うち2組は若い夫婦)が移住を考え訪ねてきました。
この1年でも移住を考える多くの若者がわざわざ御手洗に来てくれましたが、私たちは人口を増やそうと動いているわけではないんです。

いかに少ない人数でここにある建物や文化、物語を活かし、価値を生むサイクルをつくれるか。それのみで。
この1年で違うパターンの3つ宿事業をつくったのもそのためです。
そしてこれから取り組みたいことは、情報技術や機械などのテクノロジーを使った少人数運営。
事業だけ切り取っても私たち地方ベンチャーが新しいテクノロジーを導入することはとても大きな話。だからこそチームを組み、そのテクノロジーをシェアし合う。
観光客向けの事業だけでなく、地域活動、福祉、教育ともシェアし合えば。
さらにテクノロジーの進化やサービスの多様化により、個人レベルで使えるものも増えてきている昨今は大きな機会に恵まれているともいえます。

人口が減って今ある仕組みをそのまま維持しにくくなっているのは社会全体の人数が減る流れの中でどこも同じ状況。
うちだけが人口増を目指すとなると人口の取り合い競争でエネルギーを消耗するだけのように思います。
当然、資本力、規模が大きいところ、もしくはいち早く取り組んでいるところが自然と優位に立つ。
そもそもそれも全体が減るので結局のところ先がない。

となれば、こちらの優位性は何?ここは何を持っている? 
(そもそも、人口が増えたどころでは何も解決しない。)
そう、高齢化率は裏を返せば優位である。高齢化率でほぼ最先端を走っている豊町。呉市。
人口減少に向けて雪道を滑らないように抗うのか、スキー板をつけてむしろ前のめりに滑り爽快さを味わうのか、使うエネルギーも見る景色も得られる成果もずいぶんと違うように思います。
スキー板をつけて(滑ることを決める)、果敢に転ぶ。進んで転げればこけ方がわかる。こけ方がわかればチャレンジできる範囲が広がる。
失敗の先にしか成功はないし、失敗を恐れていたら大失敗をする。

“人口増施策”ではなく、”人口減施策”で得られる成果は日本の他地域だけでなく、これから同じようにその時を迎えるアジア諸国にノウハウ輸出できないだろうか。
そんなことを考えながら、私たちは地域の課題に対して爽快にチャレンジしています。
や、課題ではなく、大きな価値を生み出すダイヤの原石だと私は思っている。

そうなると結果的に人口は増えると思います。
それに取り組んでいるというだけで恐らく面白いと感じる感度の高い人材はやってきます。

東京での移住促進セミナーでは必ず話をします。(「移住促進」…この文言も変えたほうが良い)
誰でも来てほしいわけではない。そもそもそんなに沢山住める家もないと。
しかしながら、県内でセミナー後に実際現地を訪問する人数は御手洗が一番多いのだとか。

なので私は思うのです。
行政も高らかに掲げてほしい。”人口増には取り組まない!!”宣言を。
今いるメンバーだけで、もしくはもっと少ない人数で私たちは今までにない暮らしよい社会を実現してみせると。

どうです?
だったらその中に入ってみたくありませんか?