檸檬ぜんざいと新メニュー

皆さまこんにちは。代表の井上です。

檸檬ぜんざいと私・・・

小学校の作文があったら書きそうなタイトルですが(笑)
私が観光ボランティアガイドで御手洗と出会い、御手洗での1号店、船宿カフェ若長のおなじみメニューとなりました”檸檬ぜんざい”。

この度、檸檬ぜんざいの新メニューを投入しました!!

檸檬ぜんざいは若長をオープンして(2011年4月)しばらくしてメニュー化し、雑誌やテレビ、ラジオなど様々なメディアに取り上げて頂きました。
あのスイーツ王子として有名な的場浩司さんも絶賛いただき、海外出張から帰る度に食べに来られるご夫婦や大事な人を連れてきてくださる多くのお客様に支えられ、若長の看板メニューとして育っております。

御手洗がある大崎下島の中の隣町、大長地区は国産レモン発祥の地。そしてここには銘菓”レモン羊羹”(90年以上続いていたものですが昨年から生産ストップしています。)があり、レトロでおしゃれなパッケージもさることながらレモンの香りがとてもよくさっぱりとしたロングセラーの美味しい羊羹でした。
レモンの特徴と言えば”酸っぱさ”。ここのレモンを触っていると爽やかな香りがいつまでも続き、酸味だけでない価値があること、そしてレモン羊羹のように小豆とレモンの相性がとても良いことから、レモンの香りを存分に生かしたぜんざいが生まれました。

酸っぱいぜんざい??ゲテモノ??
と疑いながら注文する人、恐る恐る器に口を近づけると「あら!?」
口に含んで食べ終わると「これ合うわ!」「これいいわね~」と言ってくださる。
「私も家で真似していいかしら?」と。どうぞどうぞ!

それもそのはず、レモンの果汁は入れず、一番香りがあるすりおろした皮をふんだんに入れるぜんざいなのです。
皮まで食べられる大長のレモンだからこそできる技。

口に含む前に香り立つレモンと口に含んだ時に広がる香り、ぜんざいの優しい甘さのまたそのあとに香りの余韻がじわじわと。
何というか、期待を裏切る落差がそこにあると言いますか、つくってみて私もこれはいいと思ったメニューでした。

あとで考えると、ぜんざいと塩昆布といった組み合わせすら要らない、口ひと含みで甘さ・塩気、香りの幅など多層な味を表現している檸檬ぜんざい。
もちろん、選ぶ砂糖や塩、配合、作り方なども色々変えていきました。黒砂糖を入れるとコクが増すかもしれないと試しては止め元に戻すことを繰り返し、だからこそ見えてきたものの中で今の味、スタイルに落ち着いています。

江戸時代の畳の部屋から見える素晴らしい多島美の風景と目の前の海から吹く風の香りと共に、その土地環境で1年間育ったレモンの香りを通じて風土そのものを味わう。体験型メニュー云々かんぬん言いますが、この場所で食べるこの檸檬ぜんざいがそれらを凝縮したすべてだと思います。
全てを無くして一品を残せと言われれば間違いなくこの檸檬ぜんざいを残します。

今、御手洗には素晴らしい感性を持った仲間たちがそれぞれの味を活かした店舗を運営し、まちに新しい風を吹かせています。
これからも彼ら、彼女らの活躍を見て新たなチャレンジャーがこのまちで表現してくれると思うととても楽しみです。
店が少なくなって、その中で始めたカフェ若長の役割も時代と共に、まちの発展と共に少しずつ変わっていくでしょう。
そろそろ”御手洗にあるカフェ”から”○○があるカフェ”により尖らせていこうと思います。

長くなりました(笑)
だからこその新メニュー投入!!
その名も”檸檬ぜんざいトースト”。

私の御手洗での事業づくりのはじまりであり、お店を通じて様々な素敵なご縁を頂いたメニュー”檸檬ぜんざい”。今まで仲間たちと様々な取り組みをしてきたそのエッセンスも一杯の檸檬ぜんざいに詰まっています。
御手洗の味の奥底に井上の物語のスパイスも隠れておりますので深~く味わってくださいませ(笑)
檸檬ぜんざいと合わせて、ぜひご賞味あれ!